鹿児島のお客様から、
「HPでVAIO VGN-Z71JBをWindows10にアップグレードされた記事を見ました。同じ機種をWindows10にしていただきたい。SSDは1TB(!)を」
とのご相談で、宅配便で送っていただきました。
遠方からのご依頼、本当にありがとうございます。
SONY VAIO VGN-Z71JB:Core2Duo P9600 2.66GHz メモリ4GB搭載、13.1インチディスプレイ、2009年1月発売。
当時としては珍しい「WindowsVista 64bit」のハイパフォーマンスモバイルノートです。
前回は、かなり苦労したものの、首尾良くWindows10にアップグレードできましたが、今回はどうでしょうか?
さて、「オリジナルのHDDは、後で必要なデータを移行するので、ケースに入れて使えるように」とのことですので、分解してSSDに交換します。
もちろん、交換前に、「リカバリーディスク」を作成しておきます。
左下がHDDです。右下はDVDドライブです。
カバーはありません、レンズはむき出しです。
HDDをSSDに交換しました。
前回の機種と同じく、オリジナルのHDDはHITACHI製320GBが使われていますね。
さて、前回交換作業しておりますので、スムーズに。
とはいうものの、側面のツメ2カ所は、やはり苦労します。
半分解状態ですね。DVDドライブには「ふた」がありません。
薄くするためには、仕方ないのでしょうが、レンズに傷を入れたら大変です。
何回やっても、神経を使う作業です。
HDDを1TBのSSDに交換しリカバリを開始します。
リカバリーディスクからの復元も問題なく終了、続いて、アップデート作業も順調に進行しました。
リカバリー後は「無印のVista」です。
Windows7にアップグレードするためには「ServicePack2」までアップデートさせる必要があります。
通常の「Windowsアップデート」だと2日間かかりますので、ある方法を使い2時間でサービスパック2までアップデートを行います。
サービスパック1
サービスパック2
サービスパック2まで、アップデートが終わったら、「VAIOアップデート」も実行します。
すべてのアップデートを実行しないと、Windows7へアップグレードの際、思わぬトラブルが発生する原因になります。
なお、Vista標準のブラウザはIE8。
IE9のインストールが終わらないと、必要なサイトが閲覧できません。
セキュリティレベルの問題です。Vista+IE8では、ほとんどのサイトは閲覧できませんね。
準備が整ったので、バックアップを作成します。
万一、Windows7へのアップグレード作業や、アップグレー後にトラブルが発生した場合に、備えておきます。
まず、最初の関門、Windows7へのアップグレード作業です。
VAIOのWindows7へのアップグレードは、メーカーからサポートがありますので、「アップグレードプログラム」をダウンロードして実行します。
デバイスドライバーの更新、添付ソフトのアンインストール等、画面の指示をよく確認しながら、指示どおりに行います。
完了しましたので、Windows7インストールディスクを挿入し、アップグレード開始です。
ここからは、見慣れたインストール画面です。ここまではノートラブルです。
Windows7のインストールが完了しました。
「SP(サービスパック)1」になっていますね。
ここから、現在までのアップデートを行います。
このまま「更新プログラムの確認」を実行すると、アップデートエンジンが古いため、二日二晩かかってしまいますので、特別な処理を行って実行速度を速めます。
前回に比べて、定例アップデートが増えていますので、新たな手順が必要になりました。
はやく、Vistaのように簡単なパッケージプログラムが提供されるのを待っています。
手順変更しましたので、更新プログラムの数が減っています。
211個+7個の更新プログラムですね。
更新完了後、再度バックアップを取って、Windows10へのアップグレード準備に取りかかります。
前回はここでかなり苦労したので、今回は経験値を生かしたいところです。
デバイスドライバのインストールでアップグレードが停止するのですから、Windows10対応のドライバーに置き換えてから、アップグレード作業に入ります。
なんと、今回も左下の画面、35%の時点で「フリーズ」です!
「機能とドライバーをインストールしています 12%」のところです。
電源を切って強制終了し、再度電源を入れると右下の画面が出ます。
「0xC1900101-0x30018」のエラーコードです。
「SYSPREP 操作中にエラーが発生したため、インストールはFIRST_BOOTフェーズで失敗しました」と表示されました。
画面の変化を見てみますと、WiFiドライバーの更新は成功(無線LANのインジケータ消灯→点灯)、ディスプレイドラバーの更新も成功(STAMINA・SPEEDインジケータは消灯のまま、画面の解像度は変更される)しているようです。
前回は「ディスプレイドライバ」が原因でしたが、今回は別のデバイスが原因と思われます。
デバイスドライバをあれこれ入れ替えて、再度、アップグレードを試みますが、同じところでフリーズします。
切り口を変えるために、一旦、Windows10をクリーンインストールし、デバイス状況を比較します。
Windows7でのデバイス状況
Windows10でのデバイス状況
Windows10クリーンインストールでは、3個のデバイスが認識されていません。
「SDA標準準拠SDカードホストコントローラー」「基本システムデバイス」「不明なデバイス」の3個ですが、SDカードホストコントローラーと基本システムデバイスはデバイスドライバをインストールすることで解消されます。
「不明なデバイス」が1個残ります。
デバイスの詳細を調べてみますと、「Intel(R) ICH9 Famly USB2 Enhanced Host Contoroller - 293C」と。
しかし、このデバイスはすでに認識されています。
手動でIntel(R) ICH9 Famly USB2 Enhanced Host Contoroller - 293Cのデバイスドライバーをインストールすると、認識されますが、同じ物が2個できてしまいます。
この状態で、アニバーサリーアップデートを実行すると、再び、「不明なデバイス」に戻ってしまいます。
USBの認識に問題があるのかも知れませんが、動作に全く支障はありません。
もう一度、Windows7に戻して、アップグレードをトライしてみますが、やはり同じところでフリーズです。
7に戻しては10へトライ、やはり失敗。
何回やっても、ここで失敗します。この作業だけで5日間。
前回機種と構成部品が違うのか、デバイスそのものに不具合があって更新できないのか、すでに作業開始から1週間経過していますが、打開策が見つかりません。
お客様に相談して、Windows10クリーンインストール状態で、使用にあたっては支障は無いが、付属アプリが使用できない旨、了解していただき、作業終了とします。
なんとも、スキルのなさに落ち込みましたが、打開策が見つかった場合は、無料で行わせていただきます。
今回の修理代金は、以下のとおりです。
SSD(1TB)代金 :40,000円
SSD交換作業代 :10,000円
Windowsアップグレード診断料: 5,000円
Windows10クリーンインストール作業代
:18,000円
送料 : 2,000円
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計 :75,000円
※SSDの価格がこなれてきました。
現在はSSD:1TBは20,000円でご提供できます。
また、ご希望であれば、完全分解して、CPUグリスの塗り替えも承ります。(追加10,000円)
ご検討ください。