VGN-Z71JBをVista→7→10にアップグレードできるのは当店だけです。
これまで7台のZ71JBをアップグレードしてきました。
初期バージョンである、「TH1:1507」や「TH2:1511」、「RS1:1607」、「RS2:1703」「RS3:1709」さらに「RS4:1803」まで、動作確認できております。
基本性能の高いノートパソコンです。
まだまだ、現役で使用可能です。
また、HDDはSSDに交換が必須になりますが、交換には分解作業をします。
なお、アップグレード作業を円滑を行うために「WindowsVistにリカバリし工場出荷状態」にした上で作業を行います。
リカバリ用のHDDは、当店の作業用SATA300非AFT規格を使用します。
また、個体差があるため、上書きアップグレードができない場合があります。
その際は、クリーンインストールを行いますが、バンドルソフトウェアは可能な限りインストールします。
データは保全しますが、お客様でインストールされたアプリは納品後、改めてインストールをお願いします。
アップグレードをご検討の方、安心して当店にご依頼ください。
関東圏のお客様から、
「SONY VAIOのコンパクトノートですが、とてもお気に入りで、自分でWindows7にアップグレードしようと思って、「サプリメントディスク」まで購入して、準備しましたが時間が取れず、そのままになってしまってます。
貴店のHPを見て、アップグレードの経験が豊富だと思い、Windows7にアップグレードをお願いしたい、また、まもなく無償提供期間が終了することもあり、可能であれば、Windows10にして欲しいのですが。」
とのご相談で、宅配便で送っていただきました。
関東圏からのご依頼は初めてです。ありがたいことです。
SONY VAIO VGN-Z71JB:Core2Duo P9600 2.66GHz メモリ4GB搭載、13.1インチディスプレイ。
2009年1月発売、当時としては珍しい「WindowsVista 64bit」のハイパフォーマンスモバイルノートです。
Core2Duoで有りながら、DDR3規格のメモリを採用するなど、各部にこだわりが見えます。
デザインも垢抜けていますし、ディスプレイの表示も「美しい」。
SONYの面目躍如といった機種ですね。
これだけの基本性能であれば、「WindowsVistaからWindows7へ、さらにWindows10へアップグレードして使いたい」というお気持ちがよく分かります。
この機種のセールスポイントは、何と言ってもビデオチップに「NVIDIA GeForce 9300M GS」を搭載していることです。
造りもしっかりしており、当時の価格はかなり高かったと思われます。(30万円近く?)
メーカーHPによると、Windows7に対応しており、アップグレードするための「サプリメントディスク」が販売されていました。
現在は、ダウンロード対応となっています。
Windows7には問題なくアップグレードできますが、Windows10へはどうでしょうか?
成功したら、おそらく初の快挙(大袈裟)かも。
でも、答えはいつもと同じ。
「やってみないと分かりません!!」
さて、Windows7にアップグレードする前に、現在の動作状況を点検しておきます。
不具合があるままアップグレードすると、最悪の場合、起動不能になる事もありますので…。
起動がもっさりとしています。
「エクスペリエンス インデックスは4.4」もあるのに…。
いくらVistaモデルとはいえ、Core2Duo P9600搭載機です、もっとスムーズに動作するはずですが…。
また、タッチパッドが機能していませんね。
かなりカスタマイズされているようです。
設定を触る前に、別のHDDにクローンを作成します。
オリジナルHDDはできるだけ手を加えないのが、当店の方針です。
オリジナルのHDDはHITACHI製320GBです。
使用時間は「4042時間」と短いですが、規格が「SATA150」と古いため転送速度が遅く、Windows7や10には不向きです。
この機種の特性から考えて、「キビキビ起動・サクサク動作」するのが、何よりも重要と思われますので、お客様のその旨をお伝えし、「SSD:256GB SATA600(6.0Gbps)」に換装することにします。
(SSDの値段がこなれてきましたので、予算に余裕があれば500GB以上をお薦めいたします。)
オリジナルのHDDのVistaには、長年使用の「バグ」がありそうですので、安全のため「リカバリーディスク」を作成し、一旦リカバリー実行後、工場出荷状態から作業を始めることにします。
さて、VAIOは部品の交換が大変な場合が多いのですが、この機種もその例に漏れません。
裏からネジを12本外し、側面のツメ2カ所を楊枝等で慎重に外して、キーボード側のパネルを取り外さないとHDDの交換はできません。
半分解状態ですね。
この作業は初心者にはまずムリです。
HDDをSSDに交換しリカバリを開始します。
リカバリーディスクからの復元も問題なく終了、続いて、アップデート作業も順調に進行します。
Windows7にアップグレードするためにはVistaを「ServicePack2」までアップデートさせる必要があります。
順調です。
SP2までのアップデートが終わりましたので、VAIOアップデートナビからもアップデートを実行しておきます。
SP2までアップデートを行わないと、VAIOアップデート等実行できません。
原因はIEのバージョンが古いためです。
IE9のインストールが終わらないと、セキュリティレベルの問題で表示できないサイトがほとんどです。
さあ、Windows7へのアップグレード準備が整いました。
リカバリディスク作成から、アップデートを終えるまでに要した時間は…、なんと2日間!
結構、根気のいる作業となりました。
では、サプリメントディスクを使って、Windows7へのアップグレード作業に入ります。
と思ったら、ここまでの作業が「サプリメントディスクの作業」でした。
無駄な時間を使ってしまいました(反省)
気を取り直して、SONYのHPから「アップグレードユーティリティ」をダウンロードし、作業続行です。
表示されたとおりに作業を行っていきます。
結構な作業量です。
一つ一つ確認しながら進めていきます。
完了すると、Windows7インストールディスクの挿入を求めてきますので、指示どおりに。
ここからは、見慣れたインストール画面です。
工場出荷状態からの作業ですので、ここまでノートラブルです。
Windows7のインストールが完了し、エクスペリエンスインデックスを確認します。
すでに「SP(サービスパック)1」になっていますね。(SP1のWindows7を使ったので当たり前…。)
ここから、現在までのアップデートを行います。
このまま「更新プログラムの確認」を実行すると、アップデートエンジンが古いため、確認だけで丸1日かかってしまいますので、定番の処理(アップデートファイルの先入れ6個)を行って実行速度を速めます。
(SP1のWindows7なら、この作業は不要になりました。)
30分後に、259個の更新プログラムがあります、と表示されました。
ダウンロードにもそれなりに時間がかかりましたが、無事終了。
ここで一息入れたいところですが、本命の「Windows10へのアップグレード作業」があります。
一旦、バックアップを取って、Windows10へのアップグレードに取りかかります。
VAIO SZの時は、すんなりといきましたが、この機種はどうなりますか…。
左下の画面、35%の時点で「フリーズ」です!
「機能とドライバーをインストールしています 12%」のところです。
電源を切って強制終了し、再度電源を入れると右下の画面が出ます。
(SSDを使用していると、電源を切っても壊れないので、安心して電源を切れますね。)
「0xC1900101-0x30018」のエラーコードです。
「SYSPREP 操作中にエラーが発生したため、インストールはFIRST_BOOTフェーズで失敗しました」と表示されます。
3回試しましたが、3回ともここでフリーズします。
調べてみると、「デバイスドライバーが組み込めない時に発生するエラー」のようです。
デスクトップパソコンなら、疑わしいパーツを外して、という手もありますが、ノートはそうも行きません。
考えた末、Windows10のライセンス認証を取るために、一度、クリーンインストールしたことを思い出しました。
その時は、すんなりインストールが終わり起動しましたので、デバイスを確認していませんでした。
ということで、SSDを別のHDDに交換し、クリーンインストールを行って、デバイス状況を確認することにしました。(また分解作業です(T_T))
Windows7でのデバイス状況
Windows10でのデバイス状況
Windows7では、当然ながら、すべてのデバイスが認識されていますが、Windows10クリーンインストールでは、3個のデバイスが認識されていません。
アップグレードインストールが失敗するのは、このあたりに原因がありそうです。
特に気になったのが、「GeForce 9300M GS」が「Microsoft基本ディスプレイアダプター」となっていることです。
どうやら、SONY提供のGeForceドライバーは特殊なようです。
製造元のNVIDIAのHPで確認すると、
「VAIOに搭載されているGeForceチップには、NVIDIA提供のドライバが適用されない。」と?!
試しにダウンロードしてインストールしてみましたが、途中でエラーになります。
SONYのHPでは、当然ながら、この機種は「Windows10アップグレード対象外」ですからWindows10用のドライバソフトの提供はありません。
さらに調べてみると、この機種で「Windows7」→「Windows8」→「Windows8.1」→「Windows10」の成功例を見つけましたが、Windows8orWindows8.1(プロダクトキー)を購入する必要があり、費用がかさみます。
せっかく、遠方からご依頼をいただいたのに…。
この機種はWindows10にはアップグレードできないのか?
メーカーの発表では「対象外」です。
お客様に状況を御報告させていただくと、「時間がかかっても良いから、Windows10に。」と激励を受け、「修理屋魂」に火が点きました。
原因は「GeForce 9300M GS」のドライバーですから、Windows10対応のドライバーを見つけることです。
あちこちのサイトから、該当のドライバー検索してはダウンロードして、試行錯誤してみると…。
あれ?すんなりとアップグレードが!
ネット上で検索した結果、この機種(VGN-Z71JB)をVista→7→10へアップグレード(上書きインストール)に成功したのは、当店だけのようです。
この手順は「VGN-Zシリーズ」すべてに応用が可能と思われます。
詳細は、当店までお問い合わせください。
とにかく、あきらめないでよかった(^_^)v
あとは、動作確認作業だけです。
さて、今回使用したSSDは信頼性と高速性を重視して、3年保証のある「Tramscend 370S:256GB MLC仕様」です。
最近では、より価格の低い「TLCメモリ」を採用したSSDが発売されています。
速度と価格と寿命は、「SLC>MLC>TLC」です。
作業が完了し、厳重に梱包してお客様へお送りしましたところ、
「とても嬉しいです! *\(^o^)/* 感激!
HDDまで同梱してありましたが何と重いことでしょう!
アドバイス通りに交換して良かったです。
報告書等も添付していただきまして有難うございました。
良く理解できてGoodです。
本当にお願いして良かったと!
まさしく私が信じていた社長さまでした。
プロ魂と誠実さが滲み出ておりました。
感謝でございます。(⌒-⌒; )」
と、過分なお褒めの言葉をいただきました。
お客様が喜んでくださる。修理屋冥利に尽きますね。
ご依頼いただき、ありがとうございましたm(._.)m
この機種をお持ちの方、Windows10にアップグレードするなら、ぜひ当店にご依頼ください。
さて、今回の修理代金は、以下のとおりです。
SSD(256GB)代金 :10,000円
WindowsVista→7→10
アップグレード作業代 :25,000円
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計 :35,000円(税込)
※SSDは価格がこなれてきました。
現在、SSD:500GB(信頼のWD製)が10,000円で提供できます。
交換作業費を5,000円いただきます。
Vista→7→10の作業費は「35,000円」とさせていただきます。
7→10の場合は、「25,000円」といたします。
また、ご希望であれば、完全分解のうえ、CPUグリスの塗り替えも承ります。(追加10,000円税込)
ご検討ください。