今回、市内の事業所様からのご依頼で多機能プリンタ「Brother MFG-J6570CDW」の設定に伺ったおりに、
「ノートパソコンの動作がとても遅い、診てもらえないか?」
とのご相談で、診断いたしました。
Fujitsu LIFEBOOK AH561/DX、Celeron B710:1.6GHzシングルコアCPUを搭載した、2011年10月にビジネス用途に販売されたノートパソコンです。
実際、プリンタドライバをインストールする際に、1時間以上かかりましたので、なにか不具合があるのでは?と感じたところでした。
HDD診断用のソフト「DiskInfo」で診断してみると、
HDDに異常があります。
「代替処理不可能セクタ」が発生しています。
HDDはSeagate製のST9320325ASの320GBですね。
Seagate製のHDDは安価なのですが耐久性に難がある、というのが実感です。
「急ぎのデータ処理がある」とのことで、とりあえず、「chkdsk」コマンドで修復を試みます。
いくつか、ファイルが置き換えられたのが分かります。
処理が終わりましたので、再度、「Diskinfo」で診断します。
起動出来ましたが、「代替処理不可能セクタ数」が増えました。
とりあえず、動作するようにはなりましたので、急ぎのデータ処理を行っていただき、お預かりすることにしました。
とはいえ、業務に使用しておられますので、翌日の夕方までにHDD交換や動作点検を行い、納品しなければなりません。
時間との勝負になりますね。
写りは良くありませんが、HGSTの500GB(AFT)に交換します。
このHDDは「3年保証」がついています。
通常の使用で不具合が出た場合は、無償交換(データは保証対象外)できます。
非AFTからAFTへの交換ですので、お立ち台は使用できません。
パソコンにクローン作成ソフトをインストールし、ソフトウェアからクローン作成を実行します。
クローン作成後、本体に取り付けて起動しますが、アライメント調整の確認等、必要な点検・調整を行い、無事起動させることができました。
セキュリティソフトに「MicrosoftEssentials」をお使いでしたが、このソフトは無料ですが、動作が重く、ウィルス検出率も良くないため、「AVG無料版」に変更しました。
インストール後、念のためウィルススキャンを行いますと…、
疑わしいアプリケーションが見つかりました。
「SofotnicDownloader_for_primopdf.exe」
このファイルは、スペインのSoftonic社が配布している、ダウンロード・インストールを支援するソフトですが、同時に同社製のツールバーがインストールされたり、Webブラウザのホームページが書き換えられるなど、問題の多い仕様です。
マルウェア等の迷惑ソフトを勝手にインストールしたり、Webブラウザのホームページを勝手に書き換えたりと、問題の多いソフトです。
もし、ご覧の方でこのソフトがあれば、アンインストールされることをお薦めします。
さて、HDD交換後のAH561の動作を診断したところ、もっさりとした動作で、CPU使用率は常に100%の状態です。
動作が重い主原因を調べてみると、Windows自動アップデートの動作に問題があることが分かりましたので、調整を行い、改善することができました。
今回のHDD交換に併せて搭載メモリを2GBから4GBに増設しておきましたので、この効果も出て、シングルコアCPUの割には、スムースな動作になりました。
ご依頼いただき、ありがとうございましたm(._.)m
今回の修理代金は、以下のとおりです。
HDD(500GB)代金 : 8,000円
メモリ(DDR3:2GB): 2,000円
HDD交換作業一式 :10,000円
動作確認調整作業 : 5,000円
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計 :25,000円