お客様から、
「WindowsVistaのノートパソコンだが、来年にはサポート期間が終了すると聞いた。Windows7へアップグレードして欲しい、可能なら、Windows10にアップグレードまでお願いしたい。」
とのご相談で、お預かりしました。
Fijitsu FMV-BIBLO NF/B50:Core2Duo T8100 2.1GHz メモリ2GB搭載のノートパソコンです。
Windowsエクスペリエンスインデックスを開いたところです。
WindowsVistaで「3.4」です。
性能的には必要条件を満たしています。
ちなみに32bitのVistaですね。
WindowsVistaは2017年4月11日に延長サポートが終了しました。
Vistaをお使いの方は、お早めにOSのアップグレードをご検討ください。
すでにセキュリティの関係で、閲覧できないサイト(ホームページ)が増えています。
この際、使用しておられた「Office2002」も「Office2010」にアップグレードします。
オリジナルのHDDはSATA150:350GBです。
まずは、クローンコピーを作成し、コピーしたHDDで作業を行います。
HDDはオリジナルが「非AFT」なので、非AFTのHDDに「お立ち台」を使ってコピーします。
コピーHDDなら、失敗しても、また、やり直しができます。
(今回は、この方法が正解でした。)
アップグレード完了後、HDD(350GB)をSSHD(500GB)への換装も行います。
コピーしている間に、メモリを2GB(1GB×2)から最大搭載可能な4GB(2GB×2)に増量します。
OSが32bitなので4GB実装しても3.5GB程度しか認識しません。
少しもったいないですが仕方がありません。
64bitのOSなら4GB全部を使えるのですが…。
クローンしたHDDを本体に取り付け、作業開始です。
FujitsuのHPを確認しましたが、この機種はVista→7のサポート対象外です。
Windows7アップグレード用のデバイスドライバやソフトウェアの提供はありません。
と言うことは、「全て自己責任」となります。
「Windows7 Update Advisor」をインストールして、可能性のチェックを行ったところ、「PhotoStudio」以外は、特に問題はなさそうです。
Windows7 Home Premiumのアップグレードインストールを行います。
インストール作業そのものは、何の問題も無く、完了しました。
起動してみましたが、Windows7の動作がとても不安定です。
WindowsUpdateがまともに進行しません。
やたらと時間がかかります。
また、追加ソフトのインストールも失敗します。
どうやら、永年の使用のうちにWindowsシステム内にかなりの「バグ」が有るようです。
さて、どうしましょうか?
症状としては、セキュリティソフト(ウィルスバスター)が起動すると、いろいろと不具合が出ますね。
動作も緩慢です。
ウィルスバスターをアンインストールすると、動作が少し軽くなりますが、十分ではありません。
対策としては、
今回のご依頼は「可能ならWindows10にアップグレード」です。
ここは、思い切って、「Windows10」を新規インストールすることにします。
お客様に了解を得て(幸いFujitsu付属のソフトは全く使用していない、とのことでした。)作業開始です。
せっかくクリーンインストールするのですから、32bitではなく64bitでインストールします。
64bitOSをインストールすることでメモリ制限がなくなり搭載した4GBを全部使うことができます。
各種デバイスドライバも問題なくインストールされました。
動作確認しましたが、全く問題はありません。
(NFシリーズはアップグレードよりもクリーンインストールしたほうが、良い結果が出ます。)
Office2010をインストールして、HDDをSSHDに入れ替えるため、クローン作成作業を行います。
SSHDにクローンするときは、「お立ち台」は使いません。
SSHDは「AFT規格」ですので、そのままクローンしても性能をフルに発揮できないだけでなく、不具合を起こすことがありますので、クローンコピーソフトを使って作成します。
クローンコピー完了。
本体のHDDをSSHDに入れ替え、起動します。
SSHDは何回か起動を繰り返すと、起動プロセスが8GBのSSD部分に記憶され、起動が高速化されます。
3回再起動を行い、1分弱での起動になりました。
後は、お客様のお宅で、設置設定(メール・無線LAN・プリンタ)を行うだけです。
なお、「Windows7のCOAシール」は、バッテリー取付部分に貼付しました。
ご依頼いただき、ありがとうございましたm(._.)m
※同じシリーズの「NF/B70」はVista→7への上書きアップグレードは可能ですが、7→10へは、クリーンインストールが必要です。
上書きアップグレードインストール中にエラーが発生します。
原因はWindows10のバージョンインストール中に最新バージョンが適用(アップデート)されるためです。
すでに、「1511」「1607」「1703」等のバージョンでは、上書きアップグレードインストールはできません。
勝手に上位バージョンにアップデートされてしまいます。
試した訳ではありませんが「NF/B50」でも同様に症状が発生する恐れがあります。
Windows10へのアップグレードは、メモリを追加して、4GB実装のうえ、64bitでのクリーンインストールをオススメします。
また、この記事では「SSHD」を使用しておりますが、「SSD」の価格が下がっており、交換するのであれば、SSDを強くオススメいたします。
今回の修理代金は、以下のとおりです。
SSHD代金 :10,000円(現在はSSDをオススメします。)
メモリ代金 : 5,000円
Office2010代金:10,000円
作業代 :15,000円
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計 :40,000円