お客様から、
「インターネットエクスプローラが動作しなくなったので、診て欲しい。」
とのご相談で訪問し、診断いたしました。
Fujitsu LIFEBOOK AH550/5A Core i5-450M搭載の中級機です。
早速電源を入れてみますと、あれ、なんだかWindowsそのものの起動ももっさりしています。
Windows7 32bitとはいえ、Core i5搭載機で、メモリも4GB実装してますから、もっときびきび起動するはずですが…。
起動完了まで約3分。
とにかく、IEを起動してみますが、一瞬画面が開きかけますが、すぐに閉じてしまいます。
システムファイルに問題があるのでしょうか?
それともHDDでしょうか?
HDDヘルスチェッカーをインストールして、健康状態をチェックしてみますと…、
「注意」が出ました。
セクタエラーが発生しています。
これ以上、動作させると「起動不能」になる恐れがありますので、一旦終了させ、お預かりです。
持ち帰って、改めて別のパソコンに繋いで、HDDに負担をあまりかけない「HDAT2」でHDDを調べます。
おや、HDAT2では特に、エラーは見つかりません。
元のパソコンに戻してみますが、やはり、起動が緩慢でIEも起動しませんね。
もしや、と思い、セキュリティソフトの「AVG」をインストールして、ウィルスチェックをしてみると、
これは、ひどい!
全部で「69個」もの「マルウェア」や「ウィルス」発見されました。
起動が遅かったのは、これが原因です。
お客様からは「プロバイダ業者の説明では、『サーバー側でセキュリティチェックしてますから、セキュリティソフトの必要はありません』と言われた」とのことです。
どこのプロバイダかは、あえて申しませんが、意識の低い担当者です。
セキュリティソフトは絶対に必要です!
一応、駆除できましたが、念には念を入れて、リカバリーすることにしました。
幸い、リカバリーディスクの作成は可能でしたので、早速作成します。
DVDが10枚必要ですね。
作成途中に気がつきましたが、Fujitsuは機種にもよるのですが、リカバリーディスクに「32bit」と「64bit」の両方が作成されます。
今後の使用を考えると、リカバリーは「64bit」で行った方が良いと判断しました。
その理由は、
現在のWindows7以降の環境では、「メモリ4GB実装」は最低条件ですから、64bit化して、少しでも多くメモリを認識させる必要があります。
将来の、Windows10へのアップグレードも考えておく必要もありますので…。
さて、リカバリーディスク作成も終わりましたので、一旦クローンしたHDDにリカバリーを実行します。(オリジナルHDDにクローンを実行すると、データが全て消えてしまいます。)
まずは、購入状態に戻します。
その後、「64bit」に変更します。
完了しました。
次は、諸設定やメール、データの移行です。
オリジナルのHDDにもセキュリティソフトをインストールして、ウィルス等を駆除したのちに、データを取り出します。
パソコンの買い換えなら、クロスケーブルで繋いで、専用ソフトで移行できますが、今回は、全て手作業です。
移行漏れのないように、メモを取りながら行っていきます。
メールソフトを起動してみましたが、「パスワード」が移行できていません。
これは、納品時に設置設定しますので、その折りに作業します。
さて、リカバリー作業中に、交換用のキーボードが届きました。
小さなお子様がいらっしゃいますので、こういう事はよく起こります。
上が、交換前、下が交換用です。
「2」と「5」のキーがめくれています。
キーの下にあるパンタグラフが折れてますので、交換するしかありませんね。
これ以外にも「←」と「→」が外れていましたが、こちらは元に戻りました。
キーボード交換が終わった頃に本命であるHDDが届きました。
このHDDは「AFT規格」ですので、専用ソフトを使って再度クローンします。
元のHDDは「非AFT規格」のため、リカバリー作業は「非AFT」のHDDに行い、その後、「インテル・ラピッド・ストレージ・テクノロジー」をインス トールした後で、専用ソフトでクローンしないと「アライメント」狂ってしまい、「動作が遅くなる」、「Windowsアップデートができない」という不具合が発生します。
なぜ、このような手間をかけるかと言いますと、現在入手可能なノートパソコン用2.5インチHDDは、ほとんど「AFT規格」です。
「非AFT規格」のHDDは手には入るのですが、容量が小さかったり、高価であったりして、補修・交換用には適さないからです。
クローンも無事終わり、HDDを取り付けて、Windows7を起動します。
アップデートも試してみます。
アップデートは問題ないようです。
納品前に、「デフラグ」を実行し、セキュリティソフトで再度、検査しておきます。
結構、ファイルが断片化しています。
Windows標準のデフラグソフトは、今ひとつ効果が薄いように感じます。
お客様に連絡し、設置設定(無線LAN・メール)を行って完了です。
ご依頼いただき、ありがとうございましたm(._.)m
今回の修理代金は、以下のとおりです。
HDD代金 : 6,000円
キーボード代金: 4,000円
リカバリーディスク作成: 3,000円
リカバリー作業 : 5,000円
HDD・キーボード交換作業:5,000円
データ復元作業: 7,000円
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計 : 30,000円